【レポート】第12回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2025
2025.07.142025年5月14日から3日間、パシフィコ横浜にて「CITE JAPAN 2025」が開催されました。CITE JAPANは2年に一度開催される化粧品産業に特化した展示会で、有用かつ最新の素材・技術・サービスが一同に会し、有意義な情報交換の場を提供しています。

公式サイトによると、今年の3日間の来場者数は66,109人(出展企業:429社)でした。前回の2023年実績では来場者数約66,543人(出展企業:389社)でしたので、出展企業は増えたものの、来場者数はわずかに減少しました。ただ、2021年の来場者数21,239人と比較すると、コロナ禍を経て大きく来場者数を伸ばしており、化粧品業界における注目度の高さがうかがえます。
化粧品・美容業界に特化したCOSME Weekのような展示会と共通点も多いですが、CITE JAPANならではの特徴もいくつか見受けられました。今回のレポートでは、以下の3つの視点から見学した内容をお伝えします。
■会場内の雰囲気
■ブースの特徴
■目を引いた集客ブース
■会場の雰囲気
今回、CITE JAPANは展示ホールA~Dとノース/アネックスホール(技術発表会場)のすべてを使用して開催されました。展示ホールとノースホールはやや離れていましたが、多くの来場者が行き来しており、メイン会場から離れたノースにも賑わいがありました。

ノース会場では通常の展示に加え、技術発表会が行われており、関心の高さから来場者が通路に溢れるほどでした。また、会場の一番奥にはフリースイーツ&ドリンクラウンジが設けられており、主催者側が来場者の回遊性を高め、会場全体をくまなく見てもらうための工夫が見られました。

見学を始めてすぐに気づいた、この展示会ならではの特徴は、備品の設置です。化粧品を試供するブースが多いため、多くのブースでティッシュ、ウェットティッシュ、ゴミ箱が常備されていました。出展を検討する際に、会期中に出るゴミや、テスターの補充・保管場所なども、事前に考慮する必要がありそうです。

■ブース装飾の特徴
・素材や原材料を分かりやすくする工夫
技術発表会が盛況なことからもわかるように、来場者は製品の背景にある素材や原材料に強い関心を持っています。多くの企業が、自社のこだわりの素材や原材料を視覚的に分かりやすく展示し、来場者の理解を深める工夫をしていました。

・コンセプトがしっかりと設定されたブース
一見すると化粧品と直接関係なさそうな、派手で目を引くブースも多数ありました。これは、明確なコンセプトを設定することで来場者に強い印象を残し、好奇心を刺激してブースに立ち寄ってもらうための工夫です。来場者を「わくわくさせる」ような仕掛けは、効果的な集客に繋がっていました。

・紫カラーのブース
他の展示会では珍しいと感じる紫色をブースカラーにしているブースが多く見られました。他にもパステルカラーや明るいトーンで、柔らかい印象を感じさせるブースが多いのも、この展示会の特徴だと思います。ブースに合わせて、社員の方の制服も紫色にしている企業様もいらっしゃいました。

・ナチュラルさや植物を取り入れたブース
化粧品関連の展示会ではお馴染みですが、ナチュラルなイメージを前面に出し、植物や木目調の素材を取り入れたブースも多数見受けられました。これは、環境意識の高まりや、肌に優しい製品への需要を反映していると言えます。また、システム部材を使ったブースでも木目シートを活用するなど、温かみのある空間を演出する工夫が凝らされていました。

■目を引いた集客ブース
・LEDパネル+カウンター
CITE JAPANでは、A0サイズや平均サイズ(A1)よりも少し大きめのLEDパネルを活用している企業が目立ちました。LEDパネルの鮮明な映像は視認性が高く、パネル下に設置された台をカウンター形式にすることで、来場者が気軽に立ち寄りやすい雰囲気を作っていました。
・キャッチコピーで集客
あるブースでは「身近だけど新しい!そんな〇〇〇の原料をご提案」というキャッチコピーが目を引きました。ストレートに原料名を伝えるのではなく、あえて否定的な言葉や疑問を抱かせるような言葉を使うことで、来場者の「これは何だろう?」という好奇心を刺激し、ブースへの立ち寄りを促していました。
・ブースの角を活用した展示
ノースホールで特に集客に成功していたのは、ブースの角を効果的に使った展示です。ブースの角に大きな容器いっぱいのフェイスパックを展示し、来場者の目を引いていました。手前の展示で興味を持ってもらった後、自然な流れで壁面側へと誘導し、より詳しい説明へと繋げる導線設計が見事でした。

■展示会見学を終えて
今回のCITE JAPANでは、公式サイトのメインイメージと展示会全体の雰囲気がよく調和しており、明るく、柔らかさや美意識を感じさせるような装飾の出展者が多い印象でした。
雰囲気づくりはもちろん重要ですが、それに加えて、来場者の目に留まりやすい看板の位置や展示品の配置場所など、すぐに実践できる工夫も多く見られました。これらは、今後のブースデザインを考える上で非常に参考になりました。
自社のブランドコンセプトや世界観に合わせたブースにしたい場合、「どういった要素を取り入れるとカフェ風、遊園地風に見えるのか」といった視点が重要になります。小さなブースであっても、要素の取り入れ方次第で来場者に特定のシーンを連想させ、強く印象付けることができます。
初めての展示会出展は不安も多いかもしれませんが、今回得た知識や経験を活かし、皆さまの出展が成功するよう、私たち1・2KOMAが実績と現場見学で得た知識をもって最適なブースをご提案させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

ブース装飾プランナー
k.k