第25回 JAPANドラッグストアショー
2025.09.22
ドラッグストアショーは、近年は8月に東京ビッグサイトで開催されるアジア最大級の展示会です。出展企業と消費者双方を対象とし、Well-BeingやSDGs、社会貢献といったテーマも掲げながら、著名人によるセミナーなども実施されています。
公式ホームページによると、今年の開催は8月8日から10日の3日間。出展社数は398社、3日間の合計来場者数は約10万人(99,510人)にのぼったそうです。
この展示会は、金曜日をBtoB向けのビジネスデー、土日をBtoC向けの一般公開デーと来場者を分けているのが特徴です。そのため、一般的な展示会よりも消費者が楽しめるアトラクションや体験型のブースが多く見られました。
私は初日のお昼ごろに会場に到着しましたが、到着時も帰る時も、多くの人で賑わっていました。今回のレポートでは以下の3点に絞ってご紹介します。
■ 会場内の様子
■ 集客アイデアの実例
■ 興味深かったブース

■会場内の様子
これまでにBtoC向けの展示会に行ったことはありましたが、これほど盛況している展示会は久しぶりでした。ブースに行列ができたり、通路で人が話し込んでいたりする様子は、まるでテーマパークのにぎわいです。
医薬品、健康食品、化粧品、衛生雑貨などを展示するブースが多く、ノベルティよりも試供品サンプルを配っているブースが目立ちました。この試供品を目当てに情熱を注ぐ来場者も多く、両手に大きな荷物を抱えて歩いている人をたくさん見かけました。

会場内には、ブース以外にも来場者が楽しめるイベント企画が随所にありました。たとえば「新商品コレクション2025」というコーナーでは、この1年間で新発売された商品がずらりと並んでいました。アンケートに答えて投票すると、優先サンプル品引換券と新商品景品交換券がもらえる仕組みです。知っている商品も多く、ついじっくりと見入ってしまうような魅力的なラインナップでした。

■集客アイデアの実例
今回の展示会では、各ブースが趣向を凝らした多様な集客方法を試みていました。アトラクション体験や、景品がもらえる簡単なチャレンジなど、来場者を楽しませる工夫がたくさん見られました。
特に面白かったのが、タッチパネルを使ったブースです。動体視力を測るゲームをプレイする様子が通路から見えるようになっており、その様子はまさにゲームセンター。楽しく体験できるうえに、その様子が人を呼び込む仕組みになっていて、理想的な集客方法だと感じました。

また、あるブースでは、ストップウォッチで指定された秒数にぴったり止められたら景品がもらえるというチャレンジ企画を実施していました。この企画は派手な装飾や凝ったアトラクションに比べ、どのブースでも手軽に取り入れられるのではないでしょうか。1小間、2小間といったコンパクトなブースの集客方法として、ぜひ検討してみる価値があると思います。

会場内でひときわ目を引いたのが、お化け屋敷を催しているブースです。展示会ではまず聞くことのない叫び声が聞こえ、多くの人だかりができていました。よく見ると、のどに効く医薬品メーカーのブースでした。叫び声が聞こえるお化け屋敷というインパクトと、コンセプトのユニークさ、そして集客力は素晴らしいものでした。

■興味深かったブース
■サンプル品配布の工夫
来場者が列をなしていた大型ブースや有名メーカーのブースは、列をブース内に誘導し、商品年表の展示や新商品アンケート、香り比べなどを体験させてからサンプル品を渡す、という方法を採っていました。企業側も市場調査としてサンプルを配布しているので、来場者と出展企業双方にとってメリットのある仕組みです。
なかには、お昼過ぎにはすでに整理券の配布を終了しているブースもありました。用意したサンプルが尽きればブース内に入れないのはもったいないと感じましたが、商談を目的としないブース運営もできるのが、ドラッグストアショーの面白いところです。

■SNSを活用した集客
ほとんどの展示会では、名刺交換や来場者登録時のQRコード読み取りをサンプル配布の条件にしています。しかし、今回のドラッグストアショーでは、「Instagramへの写真投稿」「X(旧Twitter)の公式アカウントをフォロー&リポスト」を条件としているブースが多数あり、驚きました。これはエンタメ系のイベントでよく見られる手法であり、ドラッグストアショーがBtoC向けの展示会であることを象徴していると言えます。

■印象的なブースデザイン
ユニークなブースデザインも目を引きました。お笑いステージのようなデザインのブースでは、実際に漫才を披露する予定だったようです。通常の展示会ではまず見られないビジュアルで、とても興味をそそられました。
また、猛暑の来場者にとってうれしい「アイス」の試食コーナーも人気でした。LINEの友だち登録をすると、コンビニやスーパーで売られているような普通サイズのアイスがもらえるという企画です。壁面にはアイスの年表が印刷されており、多くの人が足を止めていました。

■展示会見学を終えて
展示会に来た時には軽かったカバンが、帰る頃にはずっしりと重いビニール袋に変わっていました。一般的なBtoB向けの展示会では、パンフレットやノベルティでいっぱいになることが多いですが、ドラッグストアショーでは、まるで巨大なドラッグストアで買い物をした後のようです。来場者の満足度が高く、多くの人が訪れる理由がよくわかりました。

一般的なBtoBの展示会は、各社が同じように展示品を見せて触れるだけになりがちで、差別化が難しく、結果的に集客に苦労することがあります。一方、今回のドラッグストアショーのようなBtoC向けの展示会では、来場者を楽しませる仕掛けがあるブースが目立ち、集客に成功しているのが印象的でした。BtoB向けでも、こうしたBtoCの集客方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
私は来場者交換券と新発売商品コーナーのアンケートでもらった交換券の2枚を使い、たくさんの戦利品を獲得することができました。このように、来場者が「お得!」と感じられる仕掛けが満載なBtoC向けの展示会に出展する場合、BtoB向けの展示会とは全く異なるアプローチが求められます。
例えば、BtoB展示会が、企業間の商談が行われる格式高い商談会だとすれば、ドラッグストアショーは夏祭りです。500人分のアンケートを集める目標は、お祭りで「かき氷を500杯売る」ことに似ています。
近隣の屋台が派手な装飾で客を呼び込んでいる状況で、どうすれば自分の屋台に客を呼び込めるか。ただかき氷を置くだけではダメで、目を引くのぼりやPOP、限定メニュー、子どもが喜ぶおまけなど、通行人を呼び込むための工夫が必要になります。
ブースのデザインや、ターゲットに響く情報発信などでお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。8,400件を超えるブース装飾実績をもとに、お客様に最適なブースをご提案いたします。ブース装飾をご検討の際は、1・2KOMAへお気軽にお問い合わせください。
ブース装飾プランナーサポートA.Y