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「高機能」だけでは売れない!展示会で集客する秘訣

2025.05.26

展示会に行くと、「高機能」「新成分」といったワードを掲げるブースを目にします。もちろん、話題性や目を引くキーワードがあると足を止めてもらえるきっかけになりますが、それだけでは集客に限りがあります
 
なぜなら、いくら機能が新しくても、独自の成分があっても、その新しさや独自性によってどんな欲求が満たされるのかが不明な提案では、モノは売れず、集客することはできません。
 
新規顧客の獲得や利用機会の拡大を狙うときこそ、いったん商品やサービスから離れて、その商品やサービスが利用されるシーンにおける「人間の欲求」を見つけ出すことが重要です。
 
展示会の来場者は短時間で情報を処理しながら、話を聞きたいブースを判断します。そのため、機能や成分がどんなものかを看板で伝えるよりも、どんな欲求を満たすことができるかどんなシーンで活用されるのかが伝わるブースの方が、より集客できます。
 

■欲求を満たす提案とは?

人は、本能的な「欲求」と、社会的な「抑圧」の間で常に揺れ動いています。
 
欲求そうしたいからそうする(本能、生理、衝動、快や楽を求める)
抑圧そうしないといけないからそうする(社会性、理性、ルール、習慣、文化)
 
欲求と抑圧
例えば、ダイエット中のAさんは、昼には健康を意識してサンドイッチを選びましたが、夜は自分にご褒美としてアイスクリームとワインを選びました。
 
Aさんの例:
昼(~ランチタイム~)
行動:コンビニでチーズケーキを買おうとしたが、サンドイッチを購入。
抑圧:ダイエット中のため、健康を考えてやめた。
 
夜(~仕事帰り~)
行動:コンビニでアイスクリームとワインを購入。
報酬:一日を締めくくり、自分の時間を楽しむことができる。
 
上記のように、状況や時間帯によって、行動は大きく変わります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、私たちの行動には必ず「報酬」が伴うからです。Aさんの場合、夜の購買行動は「一日を締めくくり、自分の時間を楽しむ」という報酬を得るためのものです。つまり、人はより大きな報酬を得られる行動を選びがちなのです。
 
続けて、
Aさんにチーズケーキを購入してもらいたい場合:
どちらのキャッチコピーで売り出すのがよいでしょうか。
 
①糖質オフで甘さ控えめ~こだわりチーズ~
②3種類のナチュラルチーズを使用~糖質オフ~
 
Aさんにチーズケーキを購入してもらいたい場合
おそらく多くの方が②を選ぶでしょう。 これは、「3種類のナチュラルチーズ」という具体的なフレーズが、商品の質の高さを連想させ、購買意欲を刺激するためです。また、「糖質オフ」というキーワードも、健康志向の消費者にアピールします。
 
一般的に、消費者は夜の方が購買意欲が高まる傾向にあります。 これは、昼間は仕事や家事など、他のことに意識が向きがちであるのに対し、夜はリラックスして消費活動に集中できる時間帯だからです。より自分の時間を充実させるためにどちらを選ぶのか、その行動でどんな報酬(=変化)があるのかを無意識に欲求や抑圧を感じながら判断しているのです。
 
このように、消費者の購買行動には、時間帯や商品の特徴など、様々な要因が影響します。 私たちは、消費者が何を求めているのかを深く理解し、それに応える商品やメッセージを提供することで、より効果的なマーケティング活動を行うことができます。
 
これは、来場者に対しても同じことが言えます。 行動の報酬 × ブランドの機能や特徴 = ベネフィット、という式で表されるように、来場者は、自らの行動に対してどのような報酬を得られるのかを期待しています。
 
例えば、セミナーに参加することで、新しい知識やスキルを獲得したい、あるいは、ビジネスパートナーを見つけたいといった具体的な報酬を求めているかもしれません。自社の強みを活かして、これらの報酬を最大限に提供することができれば、来場者にとっての利益になり、結果、集客にも繋がります。
 

■より良い変化(=報酬)とは?

報酬とは、お客様が何か行動を起こすことで得られる、より良い状態のことです。この「より良い状態」は、大きく分けて2つの種類があります。
 
1. 物理的な変化
生活が便利になる:
ダイエットが成功して健康的な体になる、新しいデバイスを使いこなせるようになるなど、日常生活がより快適になります。
環境が変わる:
部屋が片付いてスッキリする、新しい趣味を見つけ充実した時間を過ごすなど、生活環境が変化し、より良い状態になります。
 
2. 心理的な変化
気持ちが良い:
達成感、満足感、安心感など、心の状態がポジティブになります。
ストレスが軽減される:
不安や悩みが解消され、気持ちが楽になります。
自己肯定感が上がる:
自信がつき、自己肯定感が高まります。
 
お客様に商品やサービスを提供する際は、これらの報酬を意識することが大切です。 たとえば、ダイエット食品であれば、「健康的な体」や「自信」といった報酬を、新しいスマホであれば、「便利さ」や「楽しさ」といった報酬を、それぞれアピールすることで、お客様の購買意欲を高めることができます。
 

■さいごに

今回は、展示会での集客効果を最大化するための秘訣についてお伝えしました。展示会で効果的に集客するには、製品やサービスの機能性だけでなく、来場者の欲求を理解し、それに応じた「報酬」を提供することが重要です。顧客の行動心理を理解し、感情に訴えかけるような提案を行うことで、より多くの来場者を惹きつけ、成果につなげることができます。
 
そこで、2つのアクションをお勧めします。
①:自社の商品やサービスが、顧客のどのような欲求を満たすのかを改めて分析する。
②:来場者が求める報酬を理解し、それを明確に伝えるブースデザインやキャッチコピーを作成する。
 
これらのポイントは、特にキャッチコピーの作成や提案内容の見直しを検討されている方にとって、参考になるかと存じます。
 
そして、皆様のブースに多くの来場者が集い、展示会を成功に導けるよう、精一杯サポートさせていただきます。展示品に合わせたブースのレイアウトなど、ご要望に合わせてご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にプランナーへご相談くださいませ。
 
なお、今回のブログを作成するにあたり、下記の書籍を参考にいたしました。
 
芹沢 連 著『未顧客理解』
本書では、「なぜ未顧客理解が必要なのか」「どのように実践に落とし込めば良いのか」について、具体的な事例を交えながら丁寧に解説されています。これまで100以上のブランドで使用されてきた実績のあるフレームワークが分かりやすく紹介されていますので、興味のある方はぜひお読みください。
 
 

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